不動産開発事業及び駅の新設等の大規模プロジェクトは、当該地域の収益性、利便性、快適性を向上させることから、周辺の不動産価値に与える影響は大きなものとなりますが、その影響の程度は、プロジェクトの内容により異なります。不動産市場が混迷を極める今日においては、プロジェクトによる開発効果を事前に予測し、投資の是非及び効率的な投資内容の検討が重要となります。
日本不動産研究所は、お客様のプロジェクト内容に応じ、計量経済モデル分析、産業連関分析等の的確な分析手法を選択し、これら手法を活用して各種の開発効果の分析・調査を行っています。
以下、ヘドニック・アプローチを用いた分析事例を紹介します。
ヘドニック・アプローチは、地域間の収益性、利便性、快適性等の水準の差が地価の水準の差に表れるという考え方に基づいて、調査対象施設等がもたらす効果を地価という指標を用いて貨幣尺度で計測する手法です。
大規模商業・業務施設の整備による周辺地価の影響について、当該整備中心から200mごとのメッシュに即し、便益帰着率(地価上昇率)を算定した例を示します。
特に、商業地においては、個別差による強い影響を受けるため、地価の上昇は、空間(広さ×高さ)で捉えることが重要です。