一般財団法人土地総合研究所 専務理事/公益財団法人都市計画協会 審議役 佐々木 晶二
日本社会が直面している、社会経済情勢の変化のうち、①人口減・高齢化、②経済社会の低成長・停滞、③都市財政難、④自然災害の激化、⑤市民意識の変化、⑥技術革新の進展の6点を取り上げ、その社会経済情勢の変化による具体的な都市の変化等に対応して、都市政策の改善方向について、既存の法制度のどの部分をどのように改善すべきかについて、具体的に提言を行う。
【キーワード】立地適正化計画、空家等対策の推進に関する特別措置法、都市再生特別地区、受益者負担金、浸水被害防止区域
【Key Word】Location optimization plans, Act on Special Measures Concerning Promotion of Measures against Vacant Houses, Special Urban Revitalization Districts, Beneficiary Contributions, Flood Damage Prevention Zones
一般財団法人地域公共交通総合研究所 理事 森 雅志
「まちづくり」とは、1人ひとりの市民のライフスタイルを向上させることである。これこそが基礎自治体の行政責務であり、その行政責務を果たすためには、教育水準を上げるために努力することと同じように移動を容易にして外出しやすくすることが大切で、そのためには実に豊かな毎日の生活をもたらしてくれる公共交通というものに着目して、行政責務の1つとして交通政策に基礎自治体がもっと前に出る。これが大変望ましいことだと考える。
【キーワード】 まちづくり、シビックプライド、コンパクトシティ、社会的便益、公共交通政策
【Key Word】town planning, Civic pride, compact city, social benefits, public transportation policy
東京大学 連携研究機構 不動産イノベーション研究センター 特任研究員 長瀬 洋裕
政府や地方自治体において、環境整備の側面からイノベーションやスタートアップを支援する動きが盛り上がってきている。本稿では、環境整備の中でも、「場」や「空間」という物理的な側面に着目して東京大学不動産イノベーション研究センター(CREI)が行う「イノベーション機能を高めるまちづくりに関する研究」から、研究の動機となる理論的背景と、国内5都市(仙台、名古屋、京都、大阪、福岡)及びCREIと連携研究協力協定を結ぶ新潟県長岡市の取組事例を、概括的に紹介する。特に、研究動機にも含まれる物理的近接性が持つイノベーションにとっての重要性と可能性を考えるきっかけとなる論稿とする。
【キーワード】イノベーション地区、スタートアップ、ウォーカブル
【Key Word】Innovation Districts, Startups, Walkable
東京大学 連携研究機構 不動産イノベーション研究センター 特任助教 長谷川 大輔
COVID-19における働き方・イノベーション創発には、リアルな場の価値が再認識され、その価値を定量化し、科学的にそのメカニズムを解明することが求められている。本研究ではオープンイノベーションの場となっている公共施設を対象に、一般的な屋内測位のサービスを応用し、対面交流の回数・時間を定量的に把握したデータから対面インタラクションネットワークを構築する汎用的手法の検討を行った。結果、施設内交流の可視化やコミュニティの中心人物の抽出が可能となり、実験後の定性的調査によって、対面インタラクションの多さとイノベーション創発への意識の関係性について示した。
【キーワード】対面インタラクション、オープンイノベーション、社会ネットワーク分析
【Key Word】Face-to-Face interaction, Open innovation, Social network analysis
松岡 利哉
当研究所が2023年10月23日に公表した2023年3月末現在の「山林素地及び山元立木価格調」によると、山元立木価格はウッドショック等の収束により前回調査での歴史的上昇から反落し、用材林地価格は前回調査での31年ぶりの上昇が継続しなかった。本稿では、「山林素地及び山元立木価格調」の調査結果に加えて、その後分析した内容を紹介する。
【キーワード】山林素地価格、山元立木価格、素材(丸太)価格
松岡 利哉
2023年10月23日に「田畑価格及び賃借料調(2023年3月末現在)」を公表した。3年ぶりの米価の上昇により、田賃借料及び田価格の下落幅は縮小した。本稿では、公表した調査結果に加えて、その後分析した内容を紹介する。
【キーワード】田畑価格、田畑賃借料、米価
弁護士・関智文法律事務所 関 智文
不動産売買契約について動機の錯誤を理由に無効を主張するためには、その動機が明示又は黙示に表示されることとその動機が要素の錯誤に該当する必要があり、判例は要素の錯誤に該当するか否かの判断にあたっては、契約内容を総合的に考慮した上で、契約の効力を左右する場合に係る契約当事者の意思解釈を行うという枠組みを採用しているので錯誤無効が認められる可能性は低い。錯誤無効を主張するときは慎重に検討すべきである。
【キーワード】民法第95条、動機の錯誤、要素の錯誤、免震オイルダンパー
海外不動産市場研究会
研究部 上席主幹 松岡 利哉